2008年09月27日

戦略補助金獲得の歩み ~申請前にクリアすべきこと~

">戦略補助金獲得の歩み ~申請前にクリアすべきこと~
戦略補助金獲得の歩み ~申請前にクリアすべきこと~



下通アーケード改修委員会、実行委員長の高柳です。
さて、戦略補助金獲得について引き続きお話しさせていただきましょう。

正直、戦略補助金はかなりハードルの高い補助金です。
国の『中心市街地の活性化に関する法律』(通称中心市街地活性化法)に基づき
交付される補助金であるため、事業申請する前に様々な条件をクリアする必要が
あります。ところが、私がこの事業の実行委員長に就任した時、全国どこにも、
この戦略補助金に関するアドバイスができる方はいらっしゃいませんでした。
今までのTMO主体の補助事業のシステムから制度が完全に変更となり、新しく
始まる(平成17年度より)ものであっただけに仕方ありません。
そこで仕方なく手探り状態の中、試行錯誤を繰り返しながら事業立案を進めて
行きましたが、進んでは新たな条件が判明し後戻りするといった状態で、
今から考えると非常に効率の悪い歩みでした。もっともそのおかげで、たぶん
私は、経済産業省の方や市町村、商工会議所の方を除いた、民間の人間
としては一番戦略補助金の内容について理解している人物だと自負しています。
そうして得られた経験をもとに、今後、同様に戦略補助金へ事業申請する方に
とって少しでも参考になる情報がこのブログから得られれば幸いです。

さて、今回我々が申請した『下通ステージ・コミュニティ事業』に関しては、まず
申請書が受理されるまでの条件として以下のようなものがありました。

1.市町村が中心市街地活性化基本計画を作成し、国の認定を受けていること。
2.提出する計画が、認定を受けた基本計画の対象区域内であること。
3.提出する計画が、認定を受けた基本計画に明記されていること。
4.提出する計画が特定民間中心市街地活性化事業計画の認定を受けていること。

これらは戦略補助金の必要条件であるので、いざ中心市街地の認定を受けたけれど、
そもそも事業申請の条件を満たしていなければ、補助金を受けることはできません。

戦略補助金以外では、例えば少子高齢化等対応中小商業活性化事業から
名称変更となった『中小商業活力向上事業(補助率2分の1)』や、国道交通省
の『暮らし・にぎわい再生事業(補助率3分の1)』などを活用するしかありません。
また、それぞれの補助金において、やはり同じように諸条件をクリアする必要が
ありますので、必ずしも戦略補助金の代替と成りうるわけではありません。

また、今回の事業のハード部分、アーケード改修事業が4の特定民間事業の中の
『中小小売商業高度化事業』に該当いたします。こちらを申請するに当たっては、
申請する振興組合の組合員の内容について詳細を触れなければなりません。
大企業と中小企業の比率(組合員の資本金と従業員数を調べる)であったり、
中小企業の中でも小売業とそれ以外の業種の比率であったり。また概算で
構わないのですが組合員の過去3年間の売上の推移も、各業種ごとに合算
して提出をする必要があります。
これらの条件をクリアしないといけないのですが、特に構成比率については
大手チェーンの出店や、テナント業の組合員が全国的に増加している最近の
傾向では、非常にハードルが高いものになってきています。
振興組合によっては、新たに中小小売業の方を組合員にお誘いする必要が
出てくるでしょう。まずは早急に組合員の比率を分析する必要があります。

また、特に苦労すると思われるのが売り上げの推移。過去3年間の概算データが
必要となり、それを集計する必要があります。今回私どもでは商工会議所に
集計をお願いし、組合員個別の数字が、われわれ委員会のメンバーも含めて
一切わからないように配慮をいたしました。
こういったデータを開示してくれるかどうか、いかに組合員と普段から
コミュニケーションをとり、信頼関係を築いているかがポイントとなります。


また、今後は以下の条件も懸案する必要が出てくるかもしれません。

5.1市町村に対する単年度補助金額上限の10億円以内に収まること。
  ※同じ市町村のなかで、別事業で申請されているものはないかどうか
6.経済産業省の予算残高の範囲内に収まること。


国の財政も厳しいさなか、補助金も削減されている方向性です。
いつまでこの補助金のプログラムがあるかどうかもわかりませんし、
年々、市町村が提出する活性化基本計画の認定も増えています。
時間が経てば経つほどライバルは増加し、必然的に狭き門となり
ます。できる限り早く申請するにこしたことはないでしょう。


また、数百ページに及ぶ膨大な量の資料を作成する必要があります。
県や市、商工会議所などとも申請書の一部を作成してもらう項目があり、
連携が必須です。また、書式はワードとエクセルの書式にて作成する
上に、PDFや画像も多数処理する必要がありますので、これらのスキル
を持った有能な事務員が必須です。万が一見つからない場合は、私の
ように徹夜続きで作成するはめになりますので早急に手配しておきましょう。


一番のみそは文章力でしょう。いかに審査員にアピールする文章を書けるか。
そこでは市や県の中心市街地に関する考え方を理解する必要がありますし、
その大枠の中で、自分たちがどのような位置づけで活性化を図っていくのかを
中・長期的に立案する必要があります。そのため、商工会議所や市の商工課
などと一緒に事業を行ったことがある人がサポートに付くことは必須です。
とにかく人。マンパワーをどれだけ集め、いかに斬新なアイディアを絞り出す
ことができるか。そして、そのアイディアをいかに具体的で実効性のあるものに
組み上げることができるか。そこにかかっていると思っていただいて結構です。
全員参加の状態を作り上げること。採用の秘訣はそこにあります。中途半端な
計画では事前審査で相当突っ込まれて受理されずに終わってしまいますので、
それだけ内容を煮詰めて市の計画や地域の情勢にあてはめることができるか。

がんばりましょう!



同じカテゴリー(戦略的中心市街地中小商業等活性化支援事業)の記事画像
戦略補助金獲得の歩み ~特定民間について~
戦略補助金獲得の歩み ~まずは~
 アドバイザー派遣制度 (2009-09-29 11:44)
 補助金獲得の歩み ~戦略補助金の基礎知識~ (2009-06-22 18:05)
 戦略補助金獲得の歩み ~特定民間について~ (2008-09-27 18:59)
 戦略補助金獲得の歩み ~まずは~ (2008-09-26 02:55)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。